○舊市街(小田原附近)
15年前被水淹沒的市井。
突起的高樓廢墟在一片汪洋之中林立著。
站在防波堤上眺望此景的真嗣和薰。
薰「就像是『死亡之都』的舞台布魯日一樣。美麗而沉寂。」
真嗣「那是什麼?」
薰「是一個無法忘懷年紀輕輕就死去的妻子而把自己關在死亡之都的家中的男人的故事唷。男人把房間的一部份稱為『過往之人的教會』,在這裡珍貴地保管著亡妻充滿回憶的遺物。然而,一個就像是和妻子一個模子刻出來的舞女出現了,心情被擾亂的男子領悟到了生死有別,最後決心離開死亡之都,是這樣的故事。」
真嗣「嗯……」
薰「吶,不游泳嗎?」
真嗣「游泳,你是說在這裡?」
薰「嗯。」
真嗣「我沒有帶泳褲啊。」
薰「裸著游就行了啊。也沒有其他人在。」
真嗣「可是……」
薰「你在害羞什麼啊,我們都是男生吧。」
真嗣「話是這麼說……」
薰「走吧。」
說完後,薰一邊脫下水手服一邊往水邊前進。
真嗣也一邊跟在他後面,一邊解開衣服的扣子。
○海
一絲不掛的薰進入了高樓間的淺灘。
真嗣來的稍遲。
薰纖細的肢體浮在水面的斑駁中。
無意識地盯著那身姿的真嗣。
薰逐漸往深處游去,但是真嗣並沒有跟過去,而是停在原處不動。
薰「(回頭看)過來這裡。」
真嗣「再往前就不行了……。我不會游泳啊……」
薰「沒關係。你抓住我就可以了。」
如同被薰吸附過去一樣,真嗣進入到了水的深處。
但是薰撤了手。真嗣似乎有點溺水了。
攬住了真嗣的薰。
緊抱住薰的真嗣。
薰「哈哈哈,真的不會游泳呢。」
真嗣「你好壞。我明明相信著你的……」
無意識間流下了淚水,真嗣把臉龐埋入薰的肩,沒有理由地啜泣著。
○高樓的廢墟˙室內(日落後)
消失在水平線的夕陽,把天空染成了綠色。
邊穿著衣服,邊眺望著這幅景色的真嗣和薰。
薰「真好啊……是綠色的夕陽呢。」
真嗣「很美呢。」
真嗣注意到,正在扣上水手服的袖扣的薰,手腕處有好幾道傷痕。
薰「吶,你剛才為什麼哭了?那麼害怕海嗎?」
真嗣「我不知道……。我不太了解自己。我想過要讓自己沉入那片海裡,就那麼死去。
薰「為什麼……?」
真嗣「我之前的確在躲避你。和薰君相比的話,我完全就是個卑微又無趣的人吧……和你在一起的時候我覺得自己都快瘋了,但是因為這樣,我看不見你身影的時候……感到好不安好不安……。一想到必須一輩子都跟如此不堪的自己共存……我就真的好想死……」
天色完全暗下,二人的身影被完全籠罩在陰影中。
真嗣「我連看你的臉都看不了了……。薰君,我對你……」
薰「(遮住臉)抱歉……我不喜歡那樣。」
真嗣「──」
薰「我們分別回去吧。因為我不想再傷害你了。」
獨自一人回去的薰。
真嗣,站在絕望的深淵中。
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○旧市街(小田原あたり)
15年前に水没した街并み。
海の中から突き出したビルの廃墟が林立している。
防波堤の上からそれを眺めているシンジとカヲル。
カヲル「『死の都』の舞台・ブリュージュのようだ。美しくて、寂しくて」
シンジ 「何なの、それは」
カヲル「若くして死んだ奥さんを忘れられずに、死の都の家に闭じこもってしまったという男の物语だよ。男は部屋の一つを『ありし人の教会』と呼んで、思い出がつ まった亡き妻の持ち物を大切に保管している。だが、妻と瓜二つの踊り子が现れ、心をかき乱された男は、生と死が别のものであることを悟り、最后は死の都か ら出て行く决心をするという话さ」
シンジ 「ふうん・・・・・・」
カヲル 「ねえ、泳がない?」
シンジ 「泳ぐって、ここで?」
カヲル 「うん」
シンジ 「水着、持って着てないよ」
カヲル 「裸で泳げばいいさ。他に谁もいないのだから」
シンジ 「でも・・・・・・」
カヲル 「何を耻ずかしがってるの。男同士だろ」
シンジ 「そうだけど・・・・・・」
カヲル 「行こうよ」
と水兵服を脱ぎながら、水辺へと进んでいく。
シンジも后について行きながら、服のボタンを外す。
○海
ビルの谷间の浅瀬を、一糸缠わぬ姿で入っていくカヲル。
少し遅れてシンジ。
水面のきらめきの中にカヲルのなよやかな肢体が浮かび上がる。
その姿に思わず见とれてしまうシンジ。
カヲルはどんどん冲へと进んでいくが、シンジはついて行けずに、立ち止まってしまう。
カヲル 「(振り返り)こっちへおいでよ」
シンジ 「ここから先はダメだよ・・・・・・。仆、泳げないんだ・・・・・・」
カヲル 「大丈夫。仆につかまればいい」
カヲルに吸い寄せられるようにして、シンジは深みへと入る。
だが、カヲルは手を引っ込めてしまい、シンジは溺れそうになる。
シンジを抱き寄せるカヲル。
しがみつくシンジ。
カヲル 「ははは、本当に泳げないんだね」
シンジ 「意地悪。信じていたのに・・・・・・」
不意に涙を流すと、シンジはカヲルの肩に颜を埋め、訳もなく呜咽する。
○ビルの廃墟・一室(日没后)
水平线に消えた夕日が、空を绿色に染めている。
服を着ながら、それを眺めているシンジとカヲル。
カヲル「すごい・・・・・・绿色の夕焼けだ」
シンジ 「きれいだね」
シンジ、水兵服の腕のボタンをはめるカヲルの手首に几筋もの伤が入っているのに気づく。
カヲル「ねえ、さっきは、何で泣いたりしたの? 海が怖かったの?」
シンジ 「わからない・・・・・・。仆、自分で自分がわからないんだ。あの海に沈んで、死んでしまいたいって思った」
カヲル 「どうして・・・・・・?」
シンジ「确かに仆は君を避けていた。カヲル君に比べると、仆なんて みじめでつまらない人间なんだろう・・・・・・君のそばにいると気が狂ってしまいそうで、そのくせ姿が见えないときには・・・・・・不安で不安 で・・・・・・。そうゆういじましい自分と一生つきあっていかなきゃならないと思うと・・・・・・仆はもう、死んでしまいたい・・・・・・」
空はすっかり翳り、二人の姿は完全なシルエットになる。
シンジ「もう、颜も见えなくなっちゃった・・・・・・。カヲル君、仆は君のことが・・・・・・」
カヲル 「(遮り)ごめん・・・・・・そうゆうのイヤなんだ」
シンジ 「——」
カヲル 「别々に帰ろ。これ以上、伤つけたくないから」
一人,去って行くカヲル。
シンジ、绝望の渊に立たされる。